今回は「レイジングループ」というノベルアドベンチャーゲームの紹介レビューをしていきます。
前々から狙っていた作品でSteamのセールで最安値の半額だったので購入しましたが、ハマり過ぎて見事にGWが溶けました。
ゲーム自体は物語を読み進めていくノベルアドベンチャー
「人狼ゲーム」と「タイムリープ」をテーマに狂気的な儀式を通して描かれる、人間模様や先の読めない展開の連続にプレイする手が止まらなかったです。
そこで今回は全て読み終えたので、興奮冷めやらぬうちに本作がどうゆうゲームなのかレビューを交えて紹介していこうと思います。
なお、この記事では極力ネタバレは避けますが、全く何も知らないゼロの状態から始めたい方はご注意ください。
ゲーム概要
ゲームタイトルは「レイジングループ」
開発は「ケムコ」が手掛け、元もとは2015年にスマートフォン向けアプリとしてリリースされ、その後、PS Vita、PS4、Switch、PC版がリリースされました。
ちなみにスマホ版はフルボイスではなくパートボイスとなるので注意です。
Steamでのリリースは
- 発売:2017年8月14日
- 日本語対応
- 評価:圧倒的に好評 5,397件中 96%高評価
- 直近30日の評価:圧倒的に好評 500件中 97%高評価
- 価格:3,056 円(最安値 1,528)
色褪せぬ名作といったところでしょうか。
ゲームは人狼ゲームとタイムリープをテーマにしたサスペンスノベルアドベンチャー
そして、本作の特徴となるのが「黄泉忌みの宴」と「死に戻り」、この2つが物語にうまく組み込まれててプレイする手がともりませんでした。
- 村人の生命がかかった状態で行われる人狼ゲーム「黄泉忌みの宴」
- 主人公が死ぬことで特定の時点にタイムリープする「死に戻り」
物語について
あらすじ
ここからは物語について紹介してきます。
ええと、本作の主人公は大学院生の「房石 陽明」
彼はバイク旅行中に道に迷い、コンビニの店員の案内で集落への道を進むが崖に転落
そこで通りかかった女性「芹沢 千枝実」に助けられ、藤良村にある「休水」という集落に案内されます。
彼はそこで一夜を明かし、翌日「休水」という集落に住む人々や奇妙な風習に違和感を感じ
バイクを修理して早々に立ち去ろうとするが、その日の夕方、集落に濃い霧が発生し彼は謎の生物に殺されてしまう。
しかし、気がつくとバイクで道に迷っている場面に戻っているタイムリープが発生
ギリ生きてた主人公は死を回避するためコンビニにも集落にもよらず立ち去ろうとしますが、またも濃い霧が発生しバイクで道に迷っている5月11日まで戻ることとなり、彼はタイムリープの謎を解くため再び「休水」へ向かうこととなります。
ゲームは幾度もの死を経験し特定の選択肢を選び「死に戻り」することで、新たな選択肢がアンロックされていくシステム
再び「休水」を訪れた彼は閉鎖的で隔離された集落で行われる人狼ゲーム「黄泉忌みの宴」に巻き込まれていくことになります。
メインストーリー
ここからメインとなる物語が始まっていくんですが、「おおかみ」信仰の残る「休水」では、夕霧が立ち込めると「おおかみ様」が黄泉がえり住人に紛れてひとを殺害するとされ
住人はひとに紛れたおおかみを「黄泉忌みの宴」で探し出し、おおかみを処刑しなければ生き残れないというもので、マジで人狼ゲームが開始されます。
誰が人狼なのか、なぜ主人公は死に戻りするのか、なぜ平穏に暮らす人々が殺し合いや人狼ゲームを行うのか、村の住人はどんな秘密を抱えているのかとか
読み進めるほどに謎が増え、それらが絶妙に解き明かされつつも新たな謎が出てきたりと、とにかくうまく作られています。
村人が村人どおしで殺し合うとか、普通に生きてきた主人公の立場からした狂気じみてますよね。
でも、「休水」の住民は多少否定しながらも、当たり前かのようにこの宴を始めていくんですよ。
そして「黄泉忌みの宴」の話し合いも見ごたえがあります。簡単に言ううと今日誰を処刑するか決める話し合いなんですが、駆け引きがすごいです。
普通の人狼ゲームって遊びじゃないですか。
村人にくくられようが、人狼にやられようが死ぬことはありませんが、本作で行われる「黄泉忌みの宴」は確実に死にます。
ちょっとした言動や行動の積み重ねが命取りになり、それが元で処刑されたり、人狼に殺されたりするので話し合いの緊張感と没入感が半端ないんです。
主人公の「房石 陽明」はけっこう論理的に、こうこうこういう理由だから、こうすべきとか話すんですが、この物語に登場するキャラクター達がいい味出してるんです。
他のキャラクターは感情的な考え方をする人もいれば、保身に走ろうとする人、自らを犠牲にしようとする人、極限状態に置かれた人間の心情を垣間見ることができます。
最初の内は「あ~この人か~」って感じで1人ずつくくられていくんですが、物語が進むにつれ、このわけわからん儀式の存在する「休水」に暮らしている背景とか色々なことがが明らかになっていくにつれて、いつのまにか彼らの心情に寄り添っていくんですよ。
彼らのことを知った後でその状況になった時はマジで救われない気持ちになりますし、本作、死体の描き方がけっこうグロいです。
直接的なグロい画像が出てくるわけではないですが、文章での表現がかなり強烈で読みながら頭の中で想像してまって、さらに救われない気持ちになります。
これはオプションで残酷表現のON/OFF切り替え可能です。
ここまで聞くと人狼ゲームでなんとか生き残ればクリアと思われる方もいるかもしれませんが、生き残るだけでは全然不十分でなにも解決はしていません。
何度も死に戻りを繰り返しながら、この惨劇の原因をすべて解決しなければならないループ地獄
実際に自分がこんな状態に陥ったらどうするかな~って考えたら、やっぱり気が狂うでしょうね。マジで救われません。
キャラクター紹介
ここからはこの物語を盛り上げてくれる登場人物を簡単に紹介していきます。
本作フルボイスとなっていますが有名な声優ではなく、ドワンゴクリエイティブスクールに所属する声優さんが起用されているとのことです。
房石 陽明
ええと、最初にもお話した主人公「房石 陽明」
バイク事故に遭い「休水」に辿り着くが、なぜか「死に戻り」のループに陥りこの謎を解くため奮闘していくことになります。
この主人公は好き嫌い分かれる主人公かと思います。
けっこう好青年かと思いきやかなりクセのある人物で、終盤のある人物をやりこめる場面はおいおい、おいおいおい こいつマジかってなりましたね。
個人的には「倉成 武」的な主人公が好きなのであんまり好きじゃないかな。
よく「房石 陽明」がセリフの棒読みと言われるようですが、個人的にはけっこうマッチしていると感じましたね。全体を通して彼の無機質な人間性が表現されていると思いました。
芹沢 千枝美
バイク事故に遭った「房石 陽明」を助ける大学生
かなり社交的で故郷の「休水」に帰省している間に、一連の事件に巻き込まれていくことになります。
回末 李花子
藤良村の「四家」のひとつ「回末家」の現当主
超然とした佇まいと言葉遣いで「藤良村」の風習や文化を語るドジっ子キャラ
巻島 春
「休水」に住んでいる女子高校生で「巻島 寛造」の孫
100円ショップで買った缶バッジなどを身につけている、かなり独特な美的センスの持ち主で異常なほど霧を恐れる一面がみられ、祖父の「巻島 寛造」とはあまりうまくいっていない模様
巻島 寛造
「休水」に住んでいる猟師で「巻島 春」の祖父
村での発言力は強く、頑固な性格。
春のことを愛しているが、愛してるが故に距離が離れてしまった、かなりやるせないおじいちゃん
織部 泰長
「休水」に住んでいる男子高校生で「織部 義次」の兄
明で頭の回転が速く、法学部への進学を考えているむっつりスケベ
織部 義次
「織部 かおり」の息子で「織部 泰長」の弟
田舎に住むなんちゃってヤンキー
中学生で反抗期の真っ最中
織部 かおり
「休水」の共同食堂を一人で切り盛りしている未亡人
「織部 泰長」「織部 義次」の母親で夫は8年前に他界
二人のことを何より大切に思っている気苦労が絶えないお母さん
室 匠
休水に住んでいる農家で力仕事もこなす頼れる兄ちゃん的存在
織部かおりに好意を寄せるが一線は越えていない模様
伝承については若干懐疑的で、休水の住人が殺人を犯すわけがないと信じている熱血漢
醸田 近望
休水に住んでいる男子高校生あだ名は「モッチー」
かなり変わった感性の持ち主で、おそろしく勘が鋭いがどこか言動や感覚がズレている
キキョーのふるまい少年
能里 清之介
藤良村の「四家」のひとつである能里家の次男
いわゆる嫌味で神経質な金持ちボンボン
こうゆうタイプはすぐに死ぬ運命にありそうですが、個人的には結構好きなキャラクター
山脇 多恵
休水に住んでいる名代
最年長者の女性で村の伝承や言い伝えに詳しく、信心深いおばあさん
狼じじい
休水に住んでいる老人で身元不明
口癖は「狼が来るぞ」ほとんど会話が成立しない謎の老人
めー子
「房石 陽明」が休水に来る前日に保護された少女
名前や住所も不明で「回末 李花子」が世話をしている
馬宮 久子
B級グルメのフリーライター
「ししなれ」という郷土料理を取材するため、休水を訪れる元オカルトライター
橋本 雄大
「馬宮 久子」に同行するカメラマン
業界ではけっこう有名で、仕事中は口数も少ない得体のしれない人物
このそれぞれに性格の違う16名のキャラクターが狂気のデスゲーム「黄泉忌みの宴」を通して見せる、リアルな人間模様は見応えがあり面白いです。
この人こうなったけど、この先どうなるのかとか、読む手が止まらなくなります。
生死をかけたデスゲームではあるものの、それぞれのキャラクターが自分なりの性格や
信念に従って行動する人間味を感じさせ、このゲームのが持つ不気味な雰囲気と相まって物語がより深みのあるものになています。
とにかくこんな片田舎の過疎化した集落に住んでる人たちなのに恐ろしく頭の回転が速い人が多く、法廷ドラマのように「黄泉忌みの宴」が進むのでグダグダ感がなくてよかったです。
そして「死に戻り」によって大きく行動を変えた結果「黄泉忌みの宴」の参加人数や能力者の配役も変更されることがあり
それによって敵味方が入れ替わったり厄介な敵だった人物が頼りになる人物になったり、参加者が増えた事で予想外の敵が出現したりなど
状況の変化によって各キャラクターの多様な一面を見れるので、それぞれのキャラにめちゃくちゃ感情移入して、心情を理解できるゲーム性はほんとに素晴らしかったです。
ゲームシステムについて
ゲームシステムは物語を読み進めていき、時折現れる選択肢を選んで進めていく一般的なノベルアドベンチャー
私はゆっくり考えながらプレイしたので少し長いかもしれませんが、メインストーリーだけで40時間くらいかかる超ボリューム
それだけでなくクリア後にアンロックされる要素があり、本編で主人公以外のキャラクターが心の中で何を思っていたのかがわかる「暴露モード」や、後日談を合わせると60時間くらい楽しめます。
本作はいわゆる「ループもの」で、房石陽明は死ぬ度に事件の起点である5月11日に戻ることになります。
そのため、選択肢の結果によりゲームオーバーになった場合はシナリオの冒頭の開始時点に戻されますが、細かいパートで区切られた「チャートシステム」があるので好きな地点からやり直すことができるので便利です。
そしていくつもの「死に戻り」を経験することでアンロックされる「KEYシステム」
本編のプレイは選択肢がロックされており、従来のノベルゲームのように、最善の選択をしてゲームクリア目指すことはできず
何かしらのエンディングやゲームオーバーに到達して「死ぬ」ことで入手できる「KEY」で新たな突破口を開いていくことになります。
あと本作、村人の誰が人狼かとか推理する要素はありますが、その推理によって物語が変化するとかはなく、従来のノベルゲームと同様にストーリーを読み進めていくシステムです。
選択肢はあるものの一本道の物語になってしまいますが、個人的には読み進める順番が明確でこの手のゲームシステムは好みです。
まとめ
今回は私が連休中にぶっ続けでプレイした「レイジングループ」というノベルアドベンチャーゲームを、いつもの紹介より深く掘り下げて紹介レビューしました。
人狼ゲームとタイムリープをテーマにしたサスペンスノベル
休水という集落でおこる狂気的な人狼ゲーム「黄泉忌みの宴」と「死に戻り」のループの謎を紐解く物語が描かれるなかで
主人公と物語に登場するキャラクター達のおかれた状況や立場で繰り広げられる、人間ドラマはかなり胸を熱くさせてくれます。
久しぶりにノベルゲームをがっつり遊びましたがプレイしてマジでよかったです。
今回は以上となります。
わたし自身「やまチャンネルゲーム紹介実況」というYoutubeチャンネルで、Steamの新作ゲーム紹介やセール情報を発信しています。
このブログではSteamを使って楽しいPCゲームライフを過ごしていただけるように、役立つ情報やゲーム情報を発信しています。
SteamでPCゲームやってみたいなと思うかたは「【Steamの始め方】これから始めるPCゲームの世界!導入から無料ゲームができるまで詳しく解説」を参考に始めてみてください。